教育理念は単に合同朝礼やHR・道徳教育の授業等で語られているだけでは効果はない。理念は各教科の授業では知識の詰め込みでなく「豊かな生」の知恵を学ぶ形態、また、その知恵がHR・体育祭・学年旅行・学園祭・学芸会・生徒会活動・課外活動等の日常場面で有機的・具体的に明確に生徒に提示される。生徒が学校生活全体のなかで「豊かな生」の価値・意味を掴んでいく。こうした背景に支えられ、本来的な生活指導は成立する。フランスの思想家ルジャンド(ドグマ人類学研究所主宰)は、第二次世界大戦後「子供に対しては…自由を抑圧するファシストと思われるのを恐れて、だれも規則や厳しい礼儀作法を口にしなくなった。・‥若者が崩壊しているのは…大人が自分たちのことは自分で勝手に組み立てなさいと次の世代にいう。そんなことは過去にはなかったことです」と指摘した。(平成12年5月12日朝日新聞部分)多くの学校現場で「個」の尊重が表層的な部分で理解され、わがままな「個」が再生産されている今日であるからこそ、「自分で考えなさい」式の無責任な指導ではなく、時代の潮流に流されない真の「生きる力」を身につけさせるための生活指導、各校の教育理念に沿った自信に満ちた本来的な生活指導が求められている。
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