たとえば、体の調子を見る時に額に手を当て、熱いと思えば体温計で熱を測ってみたりする。それは自分の体が健康であるかどうかを数字で確認するためなのである。もしそこで、熱があった場合、どうしても出かけたいからといって熱のあることをゴマかしたり、ズル休みをしようと体温計を温めたりしても、体には何の役にも立たないように、数字だけを調整してみても何の役にも立たない。熱のあるなしは「平熱」を目安にするが、売場の数字にも「指数」とか「予算」とか「前年比」といった目安となる数字がある。たとえば、本日の売上予算二〇万円というのは現在の店の実力や市場環境からすると、達成して当然の「平熱」ということになる。そこで、その予算を達成できなかった時は、店に熱があるわけだから、直さなくてはならない。商品内容はどうか、売れ筋商品は切れていないか、集中して販売を行なっているか、売場が乱れていないかなどを見直してみる事が必要だ。もし予算という数字がなかったら、昨日の売上げや今日の売上げが良いのか、悪いのかがわからなくなってしまう。「今日は雨が降ったから」「最近、お客様が少なくなったから」などと、店の現象を人事のように考えていては、自店に生じている異常に気づかなくなってしまう。